コールセンターのQA（クオリティ・アシュアランス）ってどんな仕事？

コールセンターの仕事にQA（クオリティ・アシュアランス）と言うものがあります。やや聞き慣れない仕事かもしれませんがコールセンター運営にも関わる重要な仕事です。

今回は、QAの業務内容や求められるスキル、適正をみていきましょう。

OAの概要

QA（クオリティ・アシュアランス）とは品質管理を担当する役職です。品質管理というと工場などで行われる各種の検査といったものがイメージされるかもしれません。しかし、品質管理とはそうした何らかの製品だけに行われるものではなく、コールセンターのようなサービスの仕事においても取り入れられています。

コールセンターにおける品質とは当然ですが電話応対の品質を指します。つまりコールセンターのQAとは、電話応対をチェックして品質の管理を行う仕事です。

QAの具体的な仕事はオペレーターの通話をモニタリングして評価を行うことです。問題点や改善点の洗い出しやコンプライアンスが遵守されているかなどをチェックします。また単に個々の通話をチェックするだけではなく、データとして統計を取りオペレーター業務全体の改善案を策定することも行います。改善案はオペレーターやSVなどに直接伝えられるほか、マニュアルや研修内容に反映されることになります。この際QAは社内の基準だけでなく顧客視点で応対を評価することも求められます。

SVとQAの違い

コールセンターにはSVという役職があります、現場のオペレーターを監督する立場の役職です。SVはQAと同様にオペレーターの通話をモニタリングしその応対のチェックも行います。その後、改善点をオペレーターへとフィードバックするという点も同じです。

しかしQAとSVではその目的が異なります。SVが行うモニタリングは個々のオペレーターに対する指導という側面が強いのに対し、QAが行うモニタリングは全てのオペレーター、つまりは応対品質そのものを改善するために行います。

QAの仕事は個々のオペレーターの通話からコールセンター全体の課題を見つけ出すというものなのです。

カリブレーションとは

QAやSVがオペレーターの業務を評価する際には、当然評価のための基準が必要になります。評価基準自体は予め定められていますが、QAやSVごとに認識にズレが生じていることがあります。そこで行われるのがカリブレーションです。

カリブレーションとは評価基準について話し合い、そのズレを補正する作業です。こうしたカリブレーションを定期的に行うのもQAの業務になります。

求められるスキルと適正

QAは現場で業務にあたることは無いためオペレーターやSVとは求められる能力が異なります。QAに必要とされるのはデータから問題点を見つけ出す分析力や論理的思考能力、柔軟な発想といったものです。また人を育てる仕事でもあるため、そうした方面に意欲ややりがいを見出だせる人に向いています。

オペレーターやSVの経験は必要か？

全体的に現場を知っている経験者のほうが求められる傾向にあります。しかし未経験者でもやる気や能力、適性次第で雇ってくれるところはあります。これはオペレーターやSVとの適性の違いに加えて、QAは顧客視点で評価を行うため、現場を知らないことが返ってプラスに働くことがあるためです。

給与はどれぐらい？

QAの給与はコールセンターの規模などにより、かなり幅が広くなります。一般的な正社員待遇の場合は月給は24万円から、年収は300万円前後といった案件が多いです。基本的にはこのあたりをスタートラインとして能力や実績に応じて昇給されていきます。オペレーターよりは高給でSVとは同等以上といったところでしょうか。

オペレーター < SSV < QA・SV < マネージャ 経験や能力を十分に持っていることが前提ですが年収で800万円ほどの給与を提示している案件も存在します。この場合センター運営に関わる企画など相応に責任のある仕事の担当者としての採用になります。

ステップアップするなら

QAの仕事はコールセンター全体に関わるものです。最初のうちはモニタリング評価や新人研修など基本的な業務に注力することになりますが、経験を積むことでより大きな仕事を任される機会もあります。

実績を積み重ねていけばゆくゆくは評価制度の策定など、コールセンターの制度設計や企画など管理運営にも関わりを持つことになります。このあたりになるとセンター長などに近い立ち位置の、幹部や幹部候補といったポジションにもなることができます。

まとめ

QAはコールセンターの品質向上に欠かせない仕事です。日々の仕事はモニタリングや分析など一見地味ですが、大きな企画に関わることもあります。

オペレーターやSVとはかなり毛色の違う仕事になるため、経験を活かしつつ別の仕事がしてみたいという場合や、更に上の役職を目標とするのであれば目指す価値のある仕事と言えます。