資格ホルダーになることは採用や仕事上で有利に働きます。これはコールセンターの仕事においても同様です。資格の取得は自身のスキル上げるだけでなく、対外的にアピールすることにもなるからです。
ここではコールセンターに関係する資格を紹介していきます。
コミュニケーターのための資格
コールセンターの電話口で応対する担当者をコミュニケーターやオペレーターと呼称します。
- コミュニケーター
- オペレーター(テレオペ)
コミュニケーターに向けた資格としては、日本コンタクトセンター教育検定協会が認定を行っているコンタクトセンター検定資格、HDIが認定を行っているHDIサポートスタッフ国際認定の2つがあります。
- コンタクトセンター検定資格
- HDIサポートスタッフ国際認定
こうした資格は自身のスキルの証明になるとともに、体系的な知識を学習することで実務で役に立てることが出来ます。
またコミュニケーター向けの資格の上には、スーパーバイザー(コミュニケーターを監督する立場)向けの資格があり、さらにその上にはコールセンター自体の管理運営に関する資格もあるなどキャリアに応じた資格が用意されています。
コンタクトセンター検定試験
日本コンタクトセンター教育検定協会が行っている資格試験です。略称でコン検とも呼ばれます。オペレーションレベルとプロフェッショナルレベルに分かれ、前者は主にコミュニケーター向けの、後者は主にコールセンターの運営や構築に関する資格になっています。
オペレーションレベル
キャリアごとに段階に分かれており、学生や未就業者に向けた基礎的な知識やスキルの認定を行うエントリー資格、コミュニケーターに向けた顧客応対のスキルや新人指導の能力の認定を行うオペレーター資格、スーパーバイザーに向けた初歩のマネジメント知識と管理能力の認定を行うスーパーバイザー資格の3種の資格試験があります。
合格率は7~8割と比較的難易度の低い資格になっており、試験に合格することでそのまま資格認定されます。
プロフェッショナルレベル
コールセンターの管理運営に関するオペレーションマネジメント資格や、コールセンターの設立や新設備の導入に関するコンタクトセンターアーキテクチャ資格があります。合格率4~5割と難易度はやや高めです。
認定には試験の合格に加え、一定の業務経験が必要でその証明を添え申請することで認定されます。こちらは3年毎に資格の更新をする必要もあります。
また現時点では実施されていませんが、顧客応対のスペシャリストを認定するカスタマーサービス資格というものも予定されています。
HDIサポートスタッフ国際認定
HDI(ヘルプデスク協会)が行っている資格試験です。
こちらも同様に段階があり、初学者向けのカスタマサービスリプレゼンタティブ(CSR)、コミュニケーターとして従事している人向けのサポートセンターアナリスト(SCA)、スーパーバイザーや管理者向けのサポートセンターチームリーダー(SCTL)、サポートセンターマネージャ(SCM)、KCSファウンデーション(KCSF)といった5つの資格があります。
試験はweb上で行い試験合格で認定を受けられます。正答率80%以上で一般合格となり、90%以上でインストラクタ合格になります。KCSFのみ70%の正答で一般合格となります。
保険会社のコールセンターで必要な資格
保険会社のコールセンターに関連する資格として生命保険募集人資格というものがあります。
これは生命保険協会による認定資格で扱いとしては民間資格なのですが、法律上、生命保険の勧誘や販売などの営業に従事する人は必ず持たなければいけない資格になっています。
そのため保険会社のコールセンターに入った場合、研修の過程で確実に取得する必要が出てきます。ただ試験は比較的簡単な出題で70点以上で合格と必須である分難易度は低くなっています。
生命保険協会による認定資格
- 一般課程(生命保険募集人資格)
- 専門課程(ライフコンサルタント資格)
- 変額保険販売資格
- 応用課程
- 大学課程(トータルライフコンサルタント資格)
以上の資格があり、上位の資格はより複雑な形態の保険を扱う際に必要になります。
金融・証券会社のコールセンターで必要な資格
金融・証券会社のコールセンターに関連する資格には証券外務員の資格があります。
営業などで金融商品を取り扱う際には証券会社などに勤めた上で外務員登録を受ける必要があります。この外務員登録の際に必要になるのが証券外務員の資格です。
少しややこしいですが証券会社などで働くには資格と登録の2つが必要ということです。
- 証券外務員
- 外務員登録
証券外務員の資格について
証券外務員の資格も保険会社における生命保険募集人資格と同様に、金融・証券会社のコールセンターで働く際には必須となる資格です。
証券外務員の資格には一種と二種があります。二種は株式や国債、投資信託といった現物取引を扱える資格、一種は二種で取り扱える商品に加えてデリバティブや信用取引といったものを扱える資格になります。
試験の合格率は二種で5~6割、一種で4~5割と難易度は比較的高くなっています。二種の場合でも問題集を1冊やりきる程度には勉強が必要です。一種の場合は出題が広範囲になるので講座や専門学校を利用することも考えられます。
コールセンターで出世するならCOPC
COPCとはコールセンターなどの組織を対象とした品質規格です。同時にそうした組織のパフォーマンス改善モデルでもあります。具体的にはCOPCが提唱するマネジメント手法や評価法などを導入・実践し、その成果が表れた段階で認証が成されます。
個人でもCOPCについてその手法を学び試験に合格することで個人資格が認定されます。COPCの個人資格には以下の様なものがあります。
- COPC認定 COPC CX規格 推進リーダー資格
- COPC認定 COPC VMO規格 登録コーディネータ資格
- COPC認定 リーンシックスシグマ イエローベルト資格
- COPC認定 リーンシックスシグマ グリーンベルト資格
コールセンターで管理職以上の役職を目指す場合に役に立ちます。5日間の研修を受けた上での試験となるため時間と費用はそれなりに必要になりますが、合格率は9割と試験自体の難易度はそれほど高くはありません。
まとめ
コールセンターに関係する資格には、自身のスキルを証明するための資格と業務上必須となる資格の2種があります。
スキルを証明するための資格のうち、コン検は新しい資格のため認知度がまだ低いといえます。現状では国際資格である分、HDIの方がオススメです。
業務上必須となる資格はコールセンターに入ったあと研修中に取得することも出来ますが、予め持っておくことでアピールにもなりますし選択肢も広がります。
スーパーバイザーや管理者向けの資格というものもあるので上を目指すのであれば、取得することで周囲と差をつけることができます。
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